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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻7号

1982年07月発行

研究と報告

精神運動発作におけるDreamy Stateについて

著者: 扇谷明1 清野昌一1 河合逸雄2

所属機関: 1国立療養所静岡東病院 2京都大学付属病院精神神経科

ページ範囲:P.699 - P.705

文献概要

 抄録 精神運動発作をもつてんかん患者192例のうちdreamy stateを呈した37例についてそのdreamy stateの臨床特徴を調べた。その結果,dreamy stateは認知の変容体験と追想体験に2大別され,認知の変容体験はその対象により,状況,空間,時間,自己身体,自己,外界の対象に分類された。dreamy stateにおける意識の構造として精神的2重視mental diplopiaを論じ,それは異常体験を伴った高揚した意識に対して,残存の正常意識でその時の周囲の状況をある程度とらえ,そして自分の異常にも気づいている意識の状態であった。mental diplopiaが象徴的に具現化したものとして自己像幻視体験を論じた。またdreamy stateの症状の内容として親近感の変容を論じ,それは現在の認知を自己に統合する際,なつかしいとか奇異なとかの感情を伴って自己にかかわってくるもので,過去の記憶をよびおこそうとする情動の働きを伴ったものであった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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