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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻7号

1982年07月発行

文献概要

研究と報告

筆蹟学の臨床精神医学への応用—書字にみられる自殺サインについて

著者: 石川元1 奥山哲雄1 大原健士郎1

所属機関: 1浜松医科大学精神神経科教室

ページ範囲:P.707 - P.713

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 抄録 実際に投身自殺を遂げた19歳強迫神経症者の,治療の場で用いられた日記の書字を筆蹟学的手法を応用して分析した。そのさい,書字は行動パターンの一部であるとの視点に立ち,患者の言動(心理状態)の変化と筆蹟の変化とがanalogousであれば,書字の変化から患者の行動パターンを予測できるのではないか,という可能性について述べた。種々の行動のなかで書字行動には心理状態がより反映されるのではないかと考えたからである。そうした立場に立つと筆蹟鑑定でいう「恒常性」に対して疑問が生じてくるが,自殺などの危機的な状況のもとでは「恒常性」の中でのばらつきでさえも,自殺サインとしての意味を帯びた変化が認められるのではないか,と考えている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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