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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻7号

1982年07月発行

研究と報告

チョウセンアサガオの種子による集団中毒について

著者: 切替辰哉1 三田俊夫1 岡本康太郎1 矢島英雄1 江村州1 佐藤敬司1

所属機関: 1岩手医科大学神経精神利学教室

ページ範囲:P.715 - P.721

文献概要

 抄録 1977年,われわれは臨床場面において某高校生13名がヨウシュチョウセンアサガオ(Datura Stramonium L.)の種子を服用し,急性中毒を呈した症例を経験した。偶然,その急性中毒の一連の経過すなわち症状発生から予後までを観察し得たので,症例を中心として報告したい。
 精神症状は,傾眠傾向に続く興奮,注意集中困難,せん妄,失見当識,健忘,記銘力障害を呈した。
 身体症状は,口渇,鼻閉,ねむ気,倦怠感を自覚症状とし,瞳孔散大,頻脈,強直性けいれんを他覚所見として認めた。
 以上の精神症状および身体症状は,記憶障害,不明瞭な言語,嗜眠,運動障害,困惑,失見当識,不快感,幻視,幻聴,注意集中力の減退などを特徴とする,抗コリン剤投与時にみられるcentral anticholinergic syndromeに相当するものと考察された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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