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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻7号

1982年07月発行

研究と報告

健常老年者における新抗うつ薬dothiepinとamitriptylineの副作用に関する比較試験

著者: 小椋力1 岸本朗1 水川六郎1 挾間秀文1 領家和男2 永見輝生2 竹本美子2 岸野雅栄2 吉田明子2 三上有史2 中尾恵之輔2 谷尾和彦2 浜田驍2 武田倬3

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2鳥取大学医学部歯科口腔外科 3鳥取大学医学部内科

ページ範囲:P.755 - P.762

文献概要

 抄録 健常老年男子7人を対象にして,新抗うつ薬dothiepin hydrochloride(DP)25mgの副作用に関する二重盲検比較試験を実施した。対照薬はarnitriptyline(AMP)25mgで,cross-over法を用いた。自覚症状評価を含む8項目の検査を,与薬後24時間にわたって実施した。
 DP 25mgは,AMP 25mgに比較し,CFF(critical fusion frequency of flicker)値に及ぼす影響は明らかに弱く,その差は,与薬1時間後(P<0.01)から24時間後(P<0.01)まで認められた。安静時における唾液分泌抑制作用(綿球法)は,AMP 25mgに比べDP 25mgの場合に弱かった。クエン酸刺激による耳下腺唾液分泌亢進反応は,両薬剤で抑制されるが,その作用はAMP 25mgに比べDP 25mgで弱かった。
 以上の結果から,DP 25mgはAMP 25mgに比べ,副作用の少ない抗うつ薬と考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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