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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻8号

1982年08月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病の操作構造

著者: 松林武之1 西浦真理子2 福田俊一2

所属機関: 1国立療養所松籟荘 2大阪府立病院精神神経科

ページ範囲:P.819 - P.825

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 抄録 分裂病思考と幼児思考は,異なるが似ていると指摘される。そこで,我々は幼児思考に関してのPiagetの操作構造の視点に立って,分裂病自験例の病態を考察してみた。我々の症例は,知覚対象の局面で感覚運動的操作構造を完成していない。また,表象・概念の局面で具体的操作構造を完成していない。一方,幼児思考は,感覚運動的操作構造は完成されているが,具体的操作構造が完成されず,前操作期の状態であるといわれる。したがって,分裂病思考と幼児思考との相異点の一つは,感覚運動的操作構造が完成されているか否かに相応すると考えられる。
 また,分裂病思考のこの両操作構造が同時に完成されていない状態を,操作構造の発達の視点からは説明することができない。さらに,老化・退行の視点からも,これを説明することができない。つまり,これは分裂病思考の独自の障害であると結論できる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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