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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻8号

1982年08月発行

文献概要

研究と報告

口部ジスキネジアに対するCa-hopantenateの効果—表面筋電図による検討

著者: 大山繁1 末松みどり1 武原重春1 宮川洸平1

所属機関: 1熊本大学医学部神経精神科

ページ範囲:P.841 - P.848

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 抄録 長期間の神経遮断剤投与により惹起された口部ジスキネジアのある精神分裂病患者14例にCa-hopantenateを4〜12週間(平均9.9週間)投与して,その効果を肉眼的に,また表面筋電図により検討した。その結果総合判定では,著効6例,有効3例,不変4例,悪化1例であった。著効例は,女性に,口部ジスキネジアの軽症の者に,現在向精神薬や抗パーキンソン剤を服用していない者に,そしてCTで正常所見を呈する者に,より多かった。一方,脳波では異常を呈した者により効果が認められた。副作用は1例に消化器症状がみられたのみであった。悪化を呈した1例はRabbit症候群の例で,病態生理学的相違が,悪化の原因と考えられた。
 口部ジスキネジアの客観的定性定量化の一方法としての表面筋電図の有用性について述べ,またCa-hopantenateの口部ジスキネジアに対する作用機序につき若干の考察を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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