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雑誌詳細

文献概要

短報

炭酸リチウム併用により著効を示した遷延性うつ病の2例

著者: 藤原茂樹1 神庭重信1 北村俊則1 工藤孝行1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.850 - P.851

I.はじめに
 炭酸リチウムに反応するうつ病の一群がある1〜7)。双極性の場合には三環系抗うつ剤が効きにくく,躁転を防ぐ意味でも炭酸リチウムを第1選択とする意見があり8),またうつ病相のみを繰り返す患者で炭酸リチウムによりよく反応する群は,気分の易変動性があり,うつ状態時の食欲亢進,多眠を示す傾向があるという9)
 さらに三環系抗うつ剤に反応せず遷延するうつ病への炭酸リチウム併用による効果が報告されている10,11)。われわれもまた長期にわたり三環系抗うつ剤を使用しても改善のみられなかったうつ病患者に炭酸リチウムを加え奏効をみた2例を経験したのでここに報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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