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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻9号

1982年09月発行

文献概要

研究と報告

前頭葉傷害を伴う重症脳傷害児の状態像について

著者: 弟子丸元紀1 小笠原嘉祐2 室伏君土2

所属機関: 1熊本大学医学部神経精神科教室 2国立療養所菊池病院

ページ範囲:P.949 - P.957

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 抄録 重症脳傷害児の,原因・CT所見・脳波所見を検討し,前頭葉傷害と考えられる9症例について,傷害部位別に,(イ)髄質傷害,(ロ)穹隆部傷害,(ハ)眼窩脳傷害が主と考えられる群に分類して検討を行った。共通した前頭葉症状を記すと,(1)発動性の障害,(2)情動の発達と調節の障害:(イ)は発動性は亢進し過反応,(ロ)は抑制され孤立・自閉・常同行為と興味の狭小化,(ハ)は,多動・多幸状・衝動的と,時に無動・無意欲状態を示し,調節障害を示す。(3)運動の調節障害,(4)重度の精神発達遅滞(意図的行動化・言語化の障害,自我(主体性)の発達障害):周囲の状況は良く知覚されているが,統合して理解することが困難,また意図的行動化の障害があり,刺激に対する反応もその場的型式的であり,意志(志向性)を示す行為がなく,主体性(自我)に乏しい。言語遅滞は,言語理解に比較し,言語発声(言語化)の障害がより著明であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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