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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻9号

1982年09月発行

研究と報告

精神症状を伴ったhomocystine尿症の姉妹

著者: 島悟1 保崎秀夫1 佐藤忠彦1 浅井昌弘1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.959 - P.966

文献概要

 抄録 精神症状を伴ったhomocystine尿症の姉妹例を報告した。妹は42歳で,20代後半より不機嫌,興奮が出没し,36歳頃より幻覚・妄想体験が出現している。精神遅滞,痙攣,筋強直,左半身知覚低下を伴う。姉は44歳で,42歳時興奮,亜昏迷,拒絶症等,緊張病様症状が発現し,以後著明な知的能力低下,人格変化を来している。腱反射左側亢進と難聴を伴う。姉妹とも,典型的なhomocystine尿症の臨床症状を呈し,アミノ酸分析で,cystathionine合成酵素欠損による本症と診断した。脳波で姉に,小棘波を右後頭蓋優位に,CTスキャンでは妹に軽度脳萎縮を認める。WAISでIQは妹72,姉64であった。文献的・病因論的考察を加え,さらに姉妹間の症状発現過程,病像,予後の差異に注目し考案した。また薬物,食事療法とともに,精神療法的見地からも治療論的考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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