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文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻9号

1982年09月発行

研究と報告

EMGバイオフィードバックを主とした治療により改善した痙性斜頸の2症例

著者: 加藤政利1 小島忠1 山口弘一1 大原健士郎1 里村淳2

所属機関: 1浜松医科大学精神神経科学教室 2千本病院

ページ範囲:P.967 - P.971

文献概要

 抄録 今回われわれはEMGバイオフィードバック訓練を主とした入院治療を行い,比較的早期に症状が消失した痙性斜頸の2例を経験した。症例1は38歳の男性で頸部は左を向き,後屈も加わっていた。職場内葛藤が心因として考えられた。症例2は31歳の男性で頸部は左を向いた位置で固定していた。直接的な心因は認められなかった。両例とも受診後早期に入院させ,自律訓練法,薬物療法を併用しながら,月曜から金曜まで1セッションずつ連日施行のEMGバイオフィードバック訓練に導入した。両例ともEMG活動の低下は初期からみられ,頸部の弛緩感覚の認知も10セッション頃にはみられるようになり,その後症状も徐々に改善し,入院後約2ヵ月ほどで症状の消失をみるに至った。このような症状の早期消失には自律訓練法とともに施行したEMGバイオフィードバック訓練が大きな役割を果たしていたと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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