icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学24巻9号

1982年09月発行

研究と報告

うつ病に対するNomifensineとDimetacrineの二重盲検比較試験

著者: 三田村幌1 岡本宜明1 小片基23 今野渉3

所属機関: 1旭山病院 2北海道立精神衛生センター 3札幌医科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.973 - P.988

文献概要

 抄録 うつ病,うつ状態を呈する患者50例(nomifensine 24例,dimetacrine 26例)を対象とし,nomifensineの臨床効果,安全性,有用性などについて検討するため,dimetacrineを対照薬として二重盲検比較試験を行なった。臨床効果では,全般的にみてnomifensineはdimetacrineと同等の抗うつ効果を有するが,中等度改善以上の症例の状態像の推移からみるとnomifensineの速効性が期待でき,また難治・遷延例に対してもnomifensineがその臨床効果の面で若干優れているという印象を受けた。またnomifensineの標的症状は,dimetacrineとやや異なり,倦怠感,動作・態度(寡動),日常行動(臥床,閉居),および意欲の低下などにあり,安全性,副作用の面では全般的には有意差は認められなかった。
 Nomifensineはやや緩和な抗うつ薬であるが,三環系抗うつ薬にみられる抗コリン作働性副作用が少なく,うつ病患者に幅広く使用しうる薬剤といえよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら