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研究と報告
地域内文化摩擦によって生じた反応性精神病の2症例
著者: 山口弘一1 加藤政利1 大原健士郎1
所属機関: 1浜松医科大学精神神経医学教室
ページ範囲:P.31 - P.36
文献購入ページに移動症例2は,静岡県西部地域の中心都市および東京での生活体験を持っていた者が,近隣の小都市の周辺部に移転し,そこの閉鎖的人間社会の中で,急性分裂病様状態を呈した症例である。
一般に静岡県西部地域は,浜松市を中心とした都市化の進んだ地域と,保守的伝統的な田舎のおもかげを強く残した農村地帯とがかなり近接しており,種々の小文化が混在していて,地域内での文化差がかなり認められる。したがってこの地域内での移動によっても,一種の文化摩擦を体験することが往々にして見られる,と考えられる。
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