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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻1号

1983年01月発行

文献概要

研究と報告

異常脳波を呈した離人症例—その症状と脳波の変遷

著者: 河合逸雄1

所属機関: 1京都大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.45 - P.53

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 抄録 異常脳波を呈した離人症4例について,その症状と脳波所見の縦断的検索を行った。初診時の脳波所見は2例において,棘波,鋭波が見出され,1例はδ波を含む徐波の混入,1例は徐波の群発が認められた。
 離人症以外に4例中3例は間脳症的症状を,別の3例は機会性けいれんを併発する。
 4例とも離人症は生活史的にある程度了解されるが,疾病論的には神経症,てんかんいずれも属し難いと思われる。離人症消退時4例とも脳波は正常化した。この際1例を除き,脳波正常化におよぼす薬物(特に抗けいれん剤)の影響は否定される。
 ここにあげられた離人症例は特殊な型であろうけれども,離人症の病態機序として間脳の機能異常,脳機能の未熟性などを推論した。また,脳波が,個体の転換期において,変化すること,いかなる精神症状も生体の機能変遷として捉えられることを論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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