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古典紹介
—Julius Raecke—既決囚におけるヒステリー性昏迷
著者: 柴田洋子1
所属機関: 1東邦大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.93 - P.102
文献購入ページに移動前回のZeitschriftで,ヒステリーもうろう状態の5例が記述されたが,その中にGanserのでまかせ応答の症状がある。このうち検査拘禁が問題になった3例の場合,時々の昏迷を思わせるような経過がみられる。
これに関連して今回既決囚の完全なヒステリー性昏迷の事例を報告するが,その病像の知見は臨床上意味があると思われる。一方では1日以内の軽い昏迷はGanserもうろう状態と全く同じように虚偽の疑いを起こさせ,他方では長期にわたる(昏迷の)重症型はややもすれば予後不良の精神病と混同される。
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