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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻10号

1983年10月発行

文献概要

研究と報告

新抗うつ薬zimelidineの臨床評価とうつ病患者の血漿中zimelidineおよびnorzimelidine濃度

著者: 中河原通夫12 石井一平1 仙波純一1 仮屋哲彦12

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室 2山梨医科大学精神神経医学教室

ページ範囲:P.1099 - P.1108

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 (1)二環系抗うつ薬zimelidineをうつ病およびうつ状態の患者23例に1日50〜250mg,1日2回服用させ,4週間使用した後,その効果判定をHalniltonうつ病評価尺度とBeckうつ病評価尺度を用いて検討した。
 (2)全般改善度は著明改善12例(52%),中等度改善以上19例(83%),軽度改善以上20例(87%)であった。項目別の改善度は,Hamiltonうつ病評価尺度では,抑うつ気分,精神運動抑制,精神的不安,体重減少の項目が,また,Beckうつ病評価尺度では,悲哀感,不満,罪悪感,つきあい,決断力,疲労感,食欲,体重の項目が高い改善率を示した。
 (3)副作用では口渇,発汗,便秘などが認められたが,いずれも軽度であり,それにより,服用が中止となることはなかった。臨床検査は,服用開始時に異常値を認めなかった症例ではzimelidine服用4週後にも臨床上問題となる異常を認めなかった。
 (4)Zimelidineとsulpirideを併用した症例は,単相性うつ病3例,反応性うつ病2例,神経症性うつ病3例の計8例であった。これらの症例では,いずれの症例も著明改善もしくは中等度改善を示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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