文献詳細
短報
文献概要
I.はじめに
抜毛症または抜毛癖(Trichotillomania)はHallopeau1)が自ら抑制し難い衝動にかられて,自己の頭髪を抜くという行為に対して命名し,その症例を報告したのが最初である。精神科領域ではある種の精神疾患で,異常体験に基づく一種の異常行為として認められることが多いが,てんかんで本症が現われる例は少なく,斉藤2),池渕ら18)が報告しているに過ぎない。著者らは最近てんかんの治療経過中に,抜毛症を発症した19歳の女子例を経験し,本症とてんかんとの相関について検討を加えたので報告する。
抜毛症または抜毛癖(Trichotillomania)はHallopeau1)が自ら抑制し難い衝動にかられて,自己の頭髪を抜くという行為に対して命名し,その症例を報告したのが最初である。精神科領域ではある種の精神疾患で,異常体験に基づく一種の異常行為として認められることが多いが,てんかんで本症が現われる例は少なく,斉藤2),池渕ら18)が報告しているに過ぎない。著者らは最近てんかんの治療経過中に,抜毛症を発症した19歳の女子例を経験し,本症とてんかんとの相関について検討を加えたので報告する。
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