icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻11号

1983年11月発行

研究と報告

抗てんかん薬服用者のカルシウム代謝異常—第1報 カルシウム代謝異常と酵素誘導

著者: 五十嵐良雄1 原律子1 近藤啓子1 野口拓郎1

所属機関: 1埼玉医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.1171 - P.1179

文献概要

 抄録 抗てんかん薬のカルシウム代謝に及ぼす影響を検討する目的で,抗てんかん薬服薬中の患者354例について,360例の抗精神病薬服用患者を対照群として,血清酵素,血清Ca,Pを測定した。抗てんかん薬投与群においてγ-GTP,GOT,Al-Pは有意な上昇を,Ca,Pは有意な低下を示した。また,γ-GTPとCa,Pの間に有意な相関を認め,抗てんかん薬において酵素誘導が一役をになっていることが推測された。一方,Ca,Pと血中phenobarbital,phenytoin濃度,薬物投与期間とが有意な相関をもち,これは比較的大量,長期にわたる抗てんかん薬のカルシウム代謝に及ぼす影響の反映と考えられた。13例のCa,P異常例でビタミンDの活性代謝産物である1α,25-(OH)2-D3と副甲状腺ホルモンを測定し,各3例に異常を認め,抗てんかん薬によるカルシウム代謝異常の1つの原因ではないかと考え,また,文献的に考察を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら