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研究と報告
3種類の評価尺度からみた慢性精神分裂病の症状について—英国における研究
著者: 北村俊則1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室 2 3
ページ範囲:P.1207 - P.1212
抄録 慢性精神分裂病の多種な症状を定量化するために3種類の評価尺度,Brief Psychiatric Rating Scale(BPRS),Symptom Rating Scale(SRS),Ward Bchaviour Rating Scale(WBRS)を20名の入院患者に適用し,各尺度の相関に加え,BPRSとWBRSの主成分分析を行なった。WBRSによって測定される病棟内での適応能力はBPRSやSRSからはほぼ独立した現象であった。BPRSの主成分分析からは4つの主成分,すなわち,①分裂病の陽性症状と非特異的症状,②抑うつ症状,③陰性症状,④緊張病性の症状が出現した。第1成分のうちでは非特異的症状が陽性症状とは異なりWBRSと負の相関を示した。このことから慢性精神分裂病の症状を,陽性症状,陰性症状,緊張病症状,抑うつ症状,非特異的神経症様症状,適応力の障害に分類する可能性を指摘した。
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