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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻12号

1983年12月発行

文献概要

特集 カルバマゼピンの向精神作用

カルバマゼピン長期投与による躁うつ病の経過

著者: 藤原豊1 江原嵩1 大月三郎1

所属機関: 1岡山大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.1246 - P.1253

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 抄録 Carbamazepineを長期間投与した感情障害の症例を経過観察し,その予防効果の再検討を行なった。対象は,過去2年間に6ヵ月以上carbamazepineを投与した感情障害27例で,躁うつ病双極型22例,単極型1例,分裂情動型4例であった。Carbamazem pine投与期間は8ヵ月から9年4ヵ月に及んだ。予防効果は,躁うつ病双極型22例のうち有効:8例,やや有効:9例,無効:4例,判定困難:1例であり,単極型1例は無効,分裂情動型4例では有効:1例,やや有効:1例,無効:2例であった。有効例の臨床上の特徴として,①10代前半の発症で持続型の経過をとるもの。②分裂情動型の一部や,躁うつ病でも混合状態や気分と調和しない精神症状など,非定型病像を呈するもの。③炭酸リチウム,抗うつ剤などに反応性が乏しく,易怒性,易刺激性の著明なもの,などが挙げられた。それぞれ,特徴的な有効例について症例報告を行なった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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