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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻12号

1983年12月発行

文献概要

特集 カルバマゼピンの向精神作用

長期観察からみたカルバマゼピンの躁うつ病相予防効果—リチウム剤との比較およびresponderに関する検討

著者: 岸本朗1 井上雄一1 小村文明1 挾間秀文1

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.1255 - P.1263

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 抄録 18ヵ月以上にわたってカルバマゼピン(Carbamazepine,CBZ)と炭酸リチウム(Li)を病相出現に対して予防的に使用した感情病について,両薬物の予防効果に関する比較を行った。対象症例数はCBZ群41例(平均与薬期間64.2ヵ月),Li群39例(同58.4ヵ月)であった。CBZ群では33例(80.5%),Li群では29例(74.4%)に病相出現の消失か減少(対照値の1/2以下)または重症度の軽減が観察された。CBZ群とLi群の間には抗うつ病相予防効果では差異は認められなかった。抗躁病相予防効果では有意差を認めるには至らなかったがCBZ群がLi群にやや優っていた。またLi,CBZ与薬例にそれぞれCBZかLiの追加与薬を行った場合には明らかな予防効果の増強が認められた。そのほかCBZのresponderの臨床特性についての検討を行い,いくつかの臨床的指標を示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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