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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻12号

1983年12月発行

文献概要

研究と報告

行動異常のみられた48, XXYYの1症例

著者: 年澄徹1 玉井顕1 竹内義孝1 鳥居方策1 北谷真潮2 高橋弘昭2 富岡秀文3 中川允宏3

所属機関: 1金沢医科大学神経精神医学教室 2金沢医科大学小児科学教室 3桜ヶ丘神経サナトリウム

ページ範囲:P.1321 - P.1327

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 抄録 48, XXYYの染色体構成をもつ症例は,1960年MuldalとOckeyによるdoublemaleとしての報告が最初であるが,稀な疾患であることから報告例はまだ少ない。
 本疾患の臨床的特徴が,47, XXY Klinefelter症候群に類似していることから本疾患をその亜型と考えている研究者達も多い。しかし,近年一つの独立疾患としてとらえようという傾向にあり,高身長特にその上/下節比,知能指数の低さ,皮膚紋理所見などからそれを区別しうるとの見解もある。今回我々は,知能障害,反社会的行動,フェティシズムなどを呈し,その染色体分析の結果,48, XXYYであることが判明した1例を経験したので,本疾患に特異的な所見があるのかどうかを中心として種々の検討を行った。
 結果:我々の症例に関しては,その臨床的特徴,皮膚紋理所見,上/下節比などからは,47, XXY Klinefelter症候群と区別しえなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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