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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻2号

1983年02月発行

文献概要

特集 薬物と睡眠をめぐって

最近の睡眠薬について

著者: 森温理1

所属機関: 1束京慈恵会医科大学精神神経科学教室

ページ範囲:P.110 - P.117

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I.はじめに―Barbitur酸系睡眠薬
 睡眠薬は化学構造式からbarbitur酸系睡眠薬,非barbitur酸系睡眠薬,benzodiazepine系睡眠薬,その他に分類されている28)
 周知のように,barbitur酸系睡眠薬(1903)は作用が確実で,種類も多く,作用様式も多様であって,以前は広く臨床的に応用された。barbitur酸系睡眠薬は作用持続時間の長さによって,長時間作用型(barbital,phenobarbital),中間作用型(amobarbital,cyclobarbital),短時間作用型(pentobarbital,secobarbital),超短時間作用型(thiopental,hexobarbital)に分けられ,また効果発現の特徴から臨床的に入眠薬,熟睡薬,持続性熟眠薬などに分けられている。このような分類は実際的ではあるが,十分な客観的資料に基づいているとはいえないようである。最近,睡眠薬の血中動態に関する研究からbarbitur酸系薬物についても,血中半減期を指標としてその作用持続期間の再検討がなされているが(表1),その結果によると,これまで短時間作用型short-actingtypeと考えられていたpentobarbital,secobarbitalなどの半減期は中間ないし長時間作用型intermediate-or long acting typeとされていた薬物のそれとあまり差がないことが指摘されている(Breimer,1977)3)。このように,barbitur酸系睡眠薬に関しても今後その血中動態と睡眠作用との関係を十分比較検討する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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