文献詳細
文献概要
特集 薬物と睡眠をめぐって
有機ブロム化合物関連物質と睡眠
著者: 鳥居鎮夫1
所属機関: 1東邦大学医学部第一生理学教室
ページ範囲:P.135 - P.143
文献購入ページに移動1.はじめに
過去における睡眠薬の開発は専ら経験に基づいて行われてきた。bromideやchloral hydrateの中枢神経抑制作用は偶然の発見からであり,それが広く使用されるようになって,関連化合物の探索が進んだ。その後barbitalの中枢抑制の性質が偶然発見され,新しい一連の化合物が出現してきた。さらに最近になって,製薬産業がマウスで対向反射の消失を一次スクリーニングの指標として,多くの化合物を開発している。ヒトでは精神安定剤のなかから催眠効果をもつものを求めて開発されている。
この線に沿った睡眠薬の開発は,正常睡眠についての生化学的知識と関係なしに始まった。この傾向は最近でも変っていない。睡眠薬に関する多くの出版物も,薬の検定や臨床評価についての洗練された方法に殆どのページを当てていて,その物質の理論的選択に関しては余り論じられていない。
過去における睡眠薬の開発は専ら経験に基づいて行われてきた。bromideやchloral hydrateの中枢神経抑制作用は偶然の発見からであり,それが広く使用されるようになって,関連化合物の探索が進んだ。その後barbitalの中枢抑制の性質が偶然発見され,新しい一連の化合物が出現してきた。さらに最近になって,製薬産業がマウスで対向反射の消失を一次スクリーニングの指標として,多くの化合物を開発している。ヒトでは精神安定剤のなかから催眠効果をもつものを求めて開発されている。
この線に沿った睡眠薬の開発は,正常睡眠についての生化学的知識と関係なしに始まった。この傾向は最近でも変っていない。睡眠薬に関する多くの出版物も,薬の検定や臨床評価についての洗練された方法に殆どのページを当てていて,その物質の理論的選択に関しては余り論じられていない。
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