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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻2号

1983年02月発行

文献概要

特集 薬物と睡眠をめぐって

紡錘波の睡眠指標としての有用性

著者: 阿住一雄1 白川修一郎1

所属機関: 1東京都神経科学総合研究所

ページ範囲:P.169 - P.176

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I.はじめに
 紡錘波は睡眠中に多数出現するが,臨床脳波学の立場からはlazy activityが脳腫瘍やその他の脳機能異常を,extreme spindleやprolongationが皮質の一部や脳基底核など脳器質性異常の推定に役立っている。重症心身障害児にみられるような半球病変や視床非特殊核の病変の高度な場合には紡錘波が欠落する20)。また,長期間失外套症状群を呈した例でも紡錘波が消失する14)。このように紡錘波は中枢神経系機能の異常の検索に必要な脳波波形の一つである。しかし,一晩の睡眠中にどのような出現動態を示し,さらに毎晩の自然睡眠においてその動態に再現性があるのかどうかなど,いわば紡錘波の正常規準値に関連する研究は十分行われていない。この論文ではこの正常睡眠における紡錘波の出現動態について説明し,その応用として睡眠薬の効果判定における紡錘波の睡眠指標としての有用性にふれたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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