文献詳細
特集 薬物と睡眠をめぐって
覚醒と睡眠からみた意識変容状態—中枢性抗コリン剤の,biperiden投与について
著者: 小島卓也1 渥美義賢1 一瀬邦弘1 内山真1 島薗安雄2
所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室 2国立武蔵療養所
ページ範囲:P.197 - P.206
文献概要
日常臨床の中で,種々の薬物を使用しているうちに,今まで見られなかった精神症状が出現し,その症状の把握に戸惑うことがあるが,このような場合には意識変容状態であることが多い。
意識変容状態を惹起させる薬剤としては,trihexyphenidyl,promethazine,biperidenなどの抗パーキンソン剤,clomipramineなどの三環系抗うつ剤,thioridazine,levomepromazineなどの抗精神病剤,L-DOPA,amantadine,bromide,抗酒剤のdisulfirumなどがあり,長期連用によって依存が生じ,禁断時にせん妄などのみられる薬物としてはbarbiturate,meprobamate,chloralhydrate,glutcthimideなどの多くの薬剤がある38)。
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