文献詳細
文献概要
特集 精神医学における病態モデル
病態モデルの種々相
著者: 臺弘1
所属機関: 1社会福祉法人,創造印刷
ページ範囲:P.224 - P.228
文献購入ページに移動I.モデルの意味
本誌で病態モデルが特集として取り上げられるのは,今回が初めてである。このテーマが選ばれた理由は,何といっても向精神薬の開発や病態の解析にあたって,モデル研究の価値が理解されてきたためであろう。実際,モデルへの関心は内外を問わずに高い。それは最近でもファルマシアレビューの特集やいくつものシンポジウム4,9,19)に現われている。
このような状況は,筆者にとっては感慨深いことである。というのは,1959年に,臺が分裂病の動物モデルについて発表12)した時には,ほとんど反響がなかったし,その後,精神医学における実験の意義について語った時にも13),その積極的側面が評価されることは少なかった,当時はちょうど,精神薬理学の勃興期にあたっており,もしわが国でこの方面の理解が早く得られて,研究開発が進められたならば,国産の向精神薬がいくつも生れていたかも知れない。そう思うと,いつものことながら残念である。
本誌で病態モデルが特集として取り上げられるのは,今回が初めてである。このテーマが選ばれた理由は,何といっても向精神薬の開発や病態の解析にあたって,モデル研究の価値が理解されてきたためであろう。実際,モデルへの関心は内外を問わずに高い。それは最近でもファルマシアレビューの特集やいくつものシンポジウム4,9,19)に現われている。
このような状況は,筆者にとっては感慨深いことである。というのは,1959年に,臺が分裂病の動物モデルについて発表12)した時には,ほとんど反響がなかったし,その後,精神医学における実験の意義について語った時にも13),その積極的側面が評価されることは少なかった,当時はちょうど,精神薬理学の勃興期にあたっており,もしわが国でこの方面の理解が早く得られて,研究開発が進められたならば,国産の向精神薬がいくつも生れていたかも知れない。そう思うと,いつものことながら残念である。
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