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特集 精神医学における病態モデル
動物モデルによるうつ病の病態発生に関する研究
著者: 鳩谷龍1 野村純一1 北山功1 小石澤学1
所属機関: 1三重大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.249 - P.258
文献購入ページに移動(1)青斑核をはじめとする上行性NA/乍動系の細胞体のNA螢光は著明な増加を示したがその視床下部の神経終末でのNA代謝回転は低下していた。また,青斑核のTH特異螢光は減弱していた。
(2)一方,視床下部隆起-漏斗DA作動系は細胞体,神経終末ともにDA螢光は減弱していた。
(3)上記と同様の所見はストレス直後の動物にもみられたが,回復ラットの脳内アミンには対照ラットの間に差がみられなかった。
以上の所見は,うつ病の病態発生に関して多くの示唆を含んでおり,本モデルがうつ病研究の有力な手段となる可能性を示している。
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