文献詳細
文献概要
特集 聴覚失認
皮質損傷で「聾」になり得るか
著者: 船坂宗太郎1
所属機関: 1東京大学医学部付属病院分院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.345 - P.349
文献購入ページに移動 最近の聴覚検査法ならびに検査機器の進歩によって,聴覚中枢の障害部位の推定が可能となってきている。そこで最近の文献を主とし,皮質障害と聴力との関係について検討を加えた。
すなわち,皮質聴覚領の構成と種による差,皮質聴覚領の細胞活動の特異性,音聴取における皮質聴覚領の役割,そして臨床報告例における皮質障害における純音聴力損失との関係について述べた。その結果,動物実験とは異なって,ヒトでは皮質障害で確かに高度の純音聴力低下例や聾があること,そしてそれらについては2度以上にわたる脳血管障害で両側横側頭回の病変であることが特徴であると結論された。
すなわち,皮質聴覚領の構成と種による差,皮質聴覚領の細胞活動の特異性,音聴取における皮質聴覚領の役割,そして臨床報告例における皮質障害における純音聴力損失との関係について述べた。その結果,動物実験とは異なって,ヒトでは皮質障害で確かに高度の純音聴力低下例や聾があること,そしてそれらについては2度以上にわたる脳血管障害で両側横側頭回の病変であることが特徴であると結論された。
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