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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻5号

1983年05月発行

文献概要

研究と報告

コンピューターシステムを利用した外来精神病者のフォローアップの試み—社会的適応状態と通院・服薬状況を中心として

著者: 内田又功1 津田彰2 古賀五之1 西川正1

所属機関: 1医療法人社団清和会西川病院 2久留米大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.477 - P.484

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 抄録 清和会西川病院の外来精神病者(精神分裂病・躁うつ病)404名の社会的適応状態と通院・服薬状況の経過を,コンピューターシステムを利用することによって継時的に1年間追跡し,次のような知見を得た,1)分裂病者の社会的適応状態は躁うつ病者よりも有意に低く,破瓜型で最も低かった。2)分裂病者と躁うつ病者の通院・服薬状況はともに不規則で,躁うつ病者のほうによりその傾向を認めた。3)社会的適応状態得点と通院・服薬状況得点との間に,有意な正の相関があった。
 本結果は外来精神病者の社会的適応状態が疾患あるいは病型によって異なり,しかも通院・服薬状況と関係していることを示唆した。精神科外来患老の追跡のためのコンピューター利用の研究法と,今回の試みの精神病の再発予防に対する意義について論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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