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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻5号

1983年05月発行

文献概要

研究と報告

本邦におけるHachinskiの脳虚血スコアの適用とその問題点

著者: 河合真1 永富公太郎1 宮本公夫1 宮本佳子1 田辺正男1 谷内律子1

所属機関: 1医療法人宮本病院

ページ範囲:P.485 - P.490

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 抄録 Hachinskiの脳虚血スコアの各項目を,その相互の関連において検討して基準の明確化を図り,本邦における臨床適用を容易にした。次いでそれに基づいて分類された痴呆型の臨床症状を頭部CT所見との比較も含めて検討し,各痴呆型の性格の特徴づけを試みるとともに,スコアの有効性を吟味した。
 (1)頭部CT所見上,脳血管障害性痴呆型において,混合痴呆型,老年痴呆型に比べ有意に高率の,明らかな異常低吸収領域を認めたが,その意味づけには慎重を要する。
 (2)混合痴呆型に特徴的な臨床症状を認め,この痴呆型を詳細に検討することによって,各痴呆型の位置づけを明確にしていくことができると考えた。
 (3)スコアの項目にある臨床症状は,いずれも老人痴呆一般にみられる非特異的症状であるが,各痴呆型間で出現頻度に有意差のとれないものもあり,痴呆の臨床鑑別のためには,さらに検討が必要と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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