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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻5号

1983年05月発行

文献概要

研究と報告

抗精神病薬投与によりADH過剰症候群(SIADH)を起こした緊張型分裂病の1症例—その発生機序を中心として

著者: 吉田秀夫1 池崎明2 高橋良1

所属機関: 1長崎大学医学部精神神経科学教室 2大分医科大学精神神経科学教室

ページ範囲:P.511 - P.518

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 抄録 頻回な飲水行動の認められた女性緊張型分裂病者に,突然けいれん,昏睡を主徴とする水中毒症状を認めた。血清電解質はNa109.3mEq/l,K3.9mEq/l,C178.2mEq/lで脱水症状を認めず,希釈性低Na血症の存在を確認し,その病因として,種々内分泌学的検討を加えた結果,SIADHが存在することを確定した。また,SIADHの原因についても検討し,その結果,強迫的な飲水行動が引き金となり,治療薬として使用したchlorpromazineがSIADHをひき起こしたことを推定し,併せて文献的考察を行ない,Dopamineの関与が,水・Na代謝調節に及ぼす影響について言及した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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