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研究と報告
対人恐怖の回復過程に関する一考察
著者: 笠原敏彦1 大宮司信1
所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.583 - P.588
文献購入ページに移動 抄録 対人恐怖の回復過程でみられた逆説的な現象に注目し,治療論的観点からその臨床的意味について考察した。その現象とは,対人恐怖症状の発現状況が,それまでとは逆転し,家庭内に限局するもので,回復期において一過性に認められた。そして,その現象の背後には,対人恐怖からの立ち直りに必要な対人関係における自立,とくに家族からの心理的自立が深く関連しており,それは面接時の話題においても,あるいは実際の行動からも裏づけられることを指摘した。さらに彼らの自立を示唆する臨床的現象として,面接の特徴的な終り方にふれ,それが治療者からの自立を意味するものであることを述べた。
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