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研究と報告
「慢性的寡言寡動状態」における分裂病者の会話的受容と伝達の困難
著者: 清田一民1
所属機関: 1城南病院精神科
ページ範囲:P.589 - P.595
文献購入ページに移動 抄録 分裂病の緊張型,破瓜型の寛解過程における中等度ないし軽度の「慢性的寡言寡動状態」の患者にみられる日常的会話の困難を,言語論的見地から検討した。
1)会話的な受容困難については,「発話文意分類テスト(仮称)」によって,受容の仕方に特徴があることが見出された。すなわち,情報の「記述的様式」の発話文の文意の受容は正常者とかわりないが,主体的な感覚的表現を客体化されたものとして受容することが困難である。2)会話的な伝達困難については,主題の選択の困難,話題の「筋立て」および「転導」などに弱点があり,言語性表出が「記述的様式」に偏り,「感化的様式」を欠き,かつ,聞き手の発話を誘発するような非言語性表出に乏しい,などが関与している。3)日常的会話改善の評価の項目として,①量,②質.③関係,④言語性表出,⑤随伴的非言語性表出について言及した。
1)会話的な受容困難については,「発話文意分類テスト(仮称)」によって,受容の仕方に特徴があることが見出された。すなわち,情報の「記述的様式」の発話文の文意の受容は正常者とかわりないが,主体的な感覚的表現を客体化されたものとして受容することが困難である。2)会話的な伝達困難については,主題の選択の困難,話題の「筋立て」および「転導」などに弱点があり,言語性表出が「記述的様式」に偏り,「感化的様式」を欠き,かつ,聞き手の発話を誘発するような非言語性表出に乏しい,などが関与している。3)日常的会話改善の評価の項目として,①量,②質.③関係,④言語性表出,⑤随伴的非言語性表出について言及した。
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