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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻6号

1983年06月発行

文献概要

研究と報告

精神疾患における遅延型過敏反応の検討—情動と免疫に関する考察

著者: 今裕1

所属機関: 1室蘭市立総合病院祝津分院精神神経科

ページ範囲:P.607 - P.614

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 抄録 精神疾患に免疫生物学的接近を試みるにあたり,種々の精神疾患を対象にして遅延型過敏反応を検討した。1)ツ反陰性者の割合は,精神分裂病群と種々の神経疾患で近似しており,感情精神病群と神経症とも近似していた。2)特に慢性分裂病者では,妄想や幻覚などの異常体験を示す者がツ反陰性ないし疑陽性を呈しやすく,またDNCB皮膚試験でも陰性を呈しやすい。3)また種々の精神疾患で入院後のツ反の検討を縦断面的にみると,治療後次第に陽性化していく傾向が強い。4)以上のことから入院直後や異常体験を示す状態では細胞性免疫能が低下傾向にあり,入院後時間が経過し精神症状が安定化するにつれ,細胞性免疫が正常化していくように推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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