icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻7号

1983年07月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病患者の退院—家族精神医学の立場から

著者: 原田俊樹1 伊庭永二2 佐藤光源2

所属機関: 1姫路高岡病院 2岡山大学医学部神経精神科

ページ範囲:P.703 - P.713

文献購入ページに移動
 抄録 我々は今回,姫路,岡山の2精神病院の患者家族に対し,退院問題に関するアンケート調査を行なった。その結果,1)家族の患者に対する関心度は高いが,退院後の患者の受け入れ状況は悪く,受け入れ希望の家族は50%以下であった。2)患者の受け入れは発病後の経過が15年以上,入院期間が1年以上になると悪くなるが,入院回数による変化はなかった。3)家長が父であり,父母が健在であり,面会が月に2回以上あるものの受け入れはよかった。4)入院時,家族が深刻な問題としてとらえていたのは,患者の陽性症状よりもむしろ陰性症状であった。5)退院を望まない理由としては,再発に対する懸念,患者の働ける場がないこと,などが多かった。6)家族も長期にわたる入院によって世代交代が起こり受け入れ能力が低化する傾向があり,その結果さらに入院が長期化することなどが判明した。この結果について若干の考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら