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文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻7号

1983年07月発行

研究と報告

Neuro-acanthocytosisの1例—精神症状を中心に

著者: 工藤達也1 工藤順子1 浅野裕1 山内俊雄2

所属機関: 1市立室蘭総合病院祝津分院 2北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.723 - P.729

文献概要

 抄録 37歳女性でneuro-acanthocytosisと診断された症例を報告し,文献学的考察を加えた。neuro-acanthocytosisの精神症状はあまり注目されていないが,本症例およびneuro-acanthocytosisには痴呆,器質性人格変化があることを述べた。精神症状の発現機序をめぐってハンチントン舞踏病と比較し,本症の痴呆,人格崩解はハンチントン舞踏病より軽度であり,限局された大脳病変である大脳基底核障害に対応した症状であると考えた。又,特徴的な神経症状があることから,精神症状への心因の関与にも注意する必要のあることも強調した。本疾患の精神症状を病変部位,心因との関連から考察することは器質性精神病を解明する立場からも重要である。神経症状について,自咬症,不随意運動,固縮を治療との関係で考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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