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特集 児童精神医学の現状と将来—都立梅ケ丘病院30周年記念シンポジウムから
少年非行—最近の傾向と対策
著者: 上出弘之1
所属機関: 1東京都児童相談センター
ページ範囲:P.835 - P.842
文献購入ページに移動児童青少年の非行が,最近の大きな社会問題の1つとなっていることは,改めて述べるまでもなかろう。しかし今までの臨床精神医学の分野では,これらの少年非行が対象となることは比較的少なかったといわなければならない。1つには,臨床の場に非行行動を主訴とする子どもたちが訪れることはごく稀であったし,現在でも児童相談所や家庭裁判所,少年院等の現場に勤める医師以外には,接触がごく乏しいからである。
もっとも,DSM-IIIにおいては,行為障害(conduct disorder)なる名称で,非行行動が1項目として取り上げられており,最近の医学雑誌にも非行が論議されることが少なからず散見されるようになってきた。1,9,17,18)
本稿では,都立梅ケ丘病院30周年記念シンポジウムでの発表をもととしつつ,最近のわが国の少年非行の傾向と対策を論じてみることにした。一般臨床医の方々への関心を少しでも高めうればと願っての小論である。
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