icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学25巻8号

1983年08月発行

研究と報告

アルコール長期持続摂取による頭部CT所見の変化について—慢性アルコール中毒患者及び常習飲酒者

著者: 三上昭広1 渡辺博1 橋本博介1 加藤厳1 渡辺栄市1

所属機関: 1渡辺病院

ページ範囲:P.857 - P.865

文献概要

 抄録 30歳から69歳の慢性アルコール中毒患者群120例の頭部CT所見を,年齢をマッチさせた対照群93例と比較した。脳表各部位,脳室系の拡大所見出現率及び,拡大症例出現率は患者群が対照群より明らかに高かった。患者群に見られる拡大所見には一定の局在傾向は認められず,脳表と脳室系の双方に拡大所見を認める場合が最も多かった。患者群のCT所見と離脱症状,知能障害,肝機能障害,低栄養状態の有無との間には一定の関係を認めなかった。患者群のCT異常は必ずしも脳波には反映されなかった。CT異常の可逆性は確認できなかった。
 更に,社会的,家庭的に支障なく生活している常習飲酒者群(50歳代,35例)のCT所見を非飲酒者群(同年代,35例)と比較した。常習飲酒者における各部位の拡大所見出現率及び拡大症例出現率は,非飲酒者群より明らかに高かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら