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研究と報告
部分てんかん発作のCarbamazepine単剤治療
著者: 掛川紀夫1
所属機関: 1国立療養所静岡東病院
ページ範囲:P.889 - P.896
文献購入ページに移動 抄録 Carbamazepine(CBZ)単剤治療に成功した部分発作(複雑・単純・シルヴィウス発作)とその二次性全般化発作をもつ部分てんかん84症例について,①CBZと他の抗てんかん薬(おそらくphenytoinとphenobarbital)との間に相互作用が起きる結果,CBZ単剤では,同じ服用量で他剤併用時よりも血中CBZ濃度が上昇することが多い。副作用を最小限に抑えて治療有効濃度を維持しやすくなる。②治療有効濃度の下限値を臨床的に確かめることは困難であるが,治療経過の縦断的追跡によって,初めて臨床発作を抑制しえた血中CBZ濃度は,発作抑制状態を維持するに要した血中濃度よりも有意に高目であった。治療有効濃度は,てんかん源性の強さとの関連から見直されるべきと思われる。③CBZ単剤で臨床発作が抑制された後の脳波所見を追跡すると,局所性の棘・鋭波は,CBZ定常状態濃度のもとで漸次消褪に向かった。脳波所見はCBZ減量の客観的な指標となり得る。以上の点を報告した。
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