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文献概要

研究と報告

市販phenytoin製剤のロット間におけるbioavailabilityの差異について

著者: 小畑信彦1 矢幅義男1 肥田野文夫1 海野勝男2 福井了三2

所属機関: 1秋田大学医学部精神科学教室 2秋田大学医学部付属病院薬剤部

ページ範囲:P.987 - P.996

 抄録 抗てんかん薬の中で,特にphenytoinはその薬物動態学的特性により,bioavailabilityが一定で治療的同等性を有することが要請される。
 まず,本邦で市販されているphenytoin散剤,ヒダントール末について,粒子径の度数分布,in vitroでの溶解速度,1回経口投与法による血中濃度の経時的変化,てんかん患者における定常状態血中濃度,その各々に関してロット間での比較を行い,次に同じ市販phenytoin散剤,アレビアチン(末)については,粒子径と溶解速度についてのロット間比較を行った。その結果,ヒダントール末の異なるロットの製品を投与した2つのてんかん患者群の定常状態血中濃度は各々2.1,3.8μg/mlと1.8倍の差を示し,臨床試験においてロット間にbioavailabilityの差が存在することが認められた。
 ロット間のbioavailabilityの差異が臨床へ与える影響について考察し,phenytoin製剤の投与剤形間,銘柄間はもとより,ロット間のbioavailabilityを均一にする必要性について指摘した。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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