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—Ribot, T.—記憶の病—第2回
著者: 渡辺俊三 小泉明 佐藤時治郎 北条敬 田崎博一
所属機関:
ページ範囲:P.1003 - P.1012
文献購入ページに移動進行性健忘症は,緩慢で継続的な解体作業によって記憶が完全な廃絶に至るものである。この定義は大部分の症例に適用できる。だが,病勢が記憶の完全消失にまで至らないこともほんの例外的にはある。病気の進行は非常に単純であり,あまり目立たない,というのは,全てが緩慢な活動によって行なわれるためである。また非常に有益であるが,それは記憶がいかにして解体されるかがわれわれに示されるので,それがいかにして組織化されるかが分るからである。
われわれはここでは特殊な例,稀な例,例外的な例について報告する必要はない。ほとんど不変である病型について述べるだけで十分であろう。
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