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特集 精神疾患に対する神経内分泌的アプローチ
精神疾患における視床下部下垂体-甲状腺系および-性腺系機能
著者: 野村純一1 鳩谷龍1 山口隆久1 北山功1 村瀬さな子1 小森照久1 西久保光弘2 久松憲二3
所属機関: 1三重大学医学部精神神経科 2山田赤十字病院神経科 3津駅西口神経クリニク
ページ範囲:P.39 - P.46
文献購入ページに移動躁うつ病などの情動性疾患においては,視床下部下垂体系を中心とした内分泌調節異常がしばしばみられるが,その多くは非特異的な生体反応や個体の機能的脆弱性を示しているものと思われる。しかしそのような内分泌調節異常が病像の膠着や再発に関係していると思われる症例も多く,その点で疾患の病態発生の解明や内分泌的治療への手掛かりを与えているといえよう。ここでは周期性精神病を中心として,一部ではうつ病,神経性無食欲症,産後精神病を含め,その視床下部下垂体-甲状腺系および視床下部下垂体-性腺系の機能を検討するとともに,脳と肝臓の機能連関の問題についても触れたい。なおここでいう周期性精神病とは,鳩谷10)が規定しているように,情動,意識,精神運動機能に関する多くは両極性の症状を急性,周期性に反復するものであって,主に躁うつ病と非定型精神病の一部を含んでいる。
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