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短報
精神分裂病者の聴性脳幹反応(ABR)
著者: 有泉豊明1 佐藤譲二1 守屋爽一1 伊藤洋1 大西守1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神神経科教室
ページ範囲:P.97 - P.99
文献購入ページに移動聴性脳幹反応(auditory brainstem response,ABR)は1970年Jewett2)により聴覚誘発電位の最短潜時の反応として初めて報告された。精神分裂病者の誘発電位に関する研究は今日まで多数行なわれてきたが,このABRを用いた分裂病者の研究はPfefferbaum3)らの報告のみである。
彼らは入院後30日以内の急性増悪を伴う,亜慢性および慢性状態の分裂病者を対象として研究を行った。しかし,彼らはABRのV波の頂点潜時や振幅に関して,分裂病者と正常者との間に何らの差異をも認め得なかったと報告している。
今回,著者らは急性増悪を伴わない慢性状態の分裂病者を対象として新たに分裂病者のABRに再検討を加えたので報告したい。
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