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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻10号

1984年10月発行

文献概要

研究と報告

Alzheimer病とBinswanger病の合併—4剖検例の臨床的検討

著者: 小阪憲司12 池田研二2

所属機関: 1東京都精神医学総合研究所神経病理研究室 2東京都立松沢病院

ページ範囲:P.1085 - P.1093

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 抄録 病理学的にAlzheimer病とBinswanger病の合併と診断された4症例を報告し,臨床像とCT像の特徴を述べた。この4例は12〜19年の経過をとり,臨床的にAlzheimer病と脳動脈硬化症(1例ではBinswanger病)の合併と診断された。10年以上の経過をとった典型的Alzheimer病例と比較すると,以下の特徴が指摘できた。1)高血圧があり,しかも血圧の変動が目立つ時期がある,2)一過性の脳虚血発作が時にある,3)夜間の不穏・興奮・せん妄が目立つ時期がある,4)その際,同じことを大声で何十分何時間も繰り返し,いわば常同性言語不穏とでもいう症状がみられることがある,5)症状の変動(寡黙・寡動←→多動・不穏)が目立つ時期がある,6)時に焦点性けいれん発作や局所性神経症状がみられる,7)動脈硬化の所見がある,8)脳波上,全般性徐波化に加えて左右差や局所性異常がみられることがある,9)CT上,著しい脳表萎縮と脳室拡大に加えて大脳白質に境界鮮明な低吸収域が広範に広がる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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