icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻12号

1984年12月発行

文献概要

研究と報告

質問紙法によるてんかん患者の性格評価—側頭葉てんかんとその他のてんかんとの比較

著者: 土井永史1 丹羽真一2 安西信雄2 亀山知道2 斎藤治2 増井寛治2

所属機関: 1都立松沢病院 2東京大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1281 - P.1290

文献購入ページに移動
 抄録 側頭葉てんかん患者群とその他のてんかん患者群を対象に,BearとFedioの質問紙法を用いて,両群の性格特徴を比較検討した。また,各性格特徴と発作持続期間の相関を調べ,次の結果を得た。
 (1)側頭葉てんかん患者はその他のてんかん患者に比べて,外界に対する過剰な反応性を示したが,精神内界への批判が弱くそのことを自覚しない傾向が認められた。
 (2)その他のてんかん患者は,精神内界に敏感で,意志・決断力の弱さを強く自覚していた。
 (3)側頭葉てんかんに関連する性格特徴の中にも,「外界に対する過剰な反応性」のように,側頭葉内に発作波焦点が存在することにより顕在化するものと,「多書」,「粘着傾向」のように発作の年余にわたる持続で徐々に目立ってくるものの2つがあり,これらにはそれぞれ異なる発現機序が関与することが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?