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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻12号

1984年12月発行

研究と報告

抗てんかん薬とasterixis(姿勢保持不能症)—自験16症例についての臨床的検討

著者: 竹下久由1 川原隆造1 浜副薫1 長渕忠文1 挾間秀文1 当山貞夫23 石井雄二4

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2島根県立湖陵病院 3現沖縄中央病院 4但馬病院

ページ範囲:P.1299 - P.1308

文献概要

 抄録 抗てんかん薬服用中にasterixisを生じた16例のてんかん患者について,その出現に関係のある臨床的諸事項を検討した。その結果,asterixisは知能障害や片麻痺など諸種の合併症をもつ難治性例で,多種類の抗てんかん薬を併用しているものに多く認められ,その発生率は7.1%であった。他に随伴している副作用としては睡気が全例に認められたほか失調,筋緊張性低下,構音障害などが高率に認められた。起因薬剤としてはPBのほかPRM,PHT,CBZ,TMO,CZPなどが推定された。これらの抗てんかん薬のasterixis出現時の血中濃度はPBが全例で中毒域に達していたが,PHT,CBZはいずれも低値であった。
 以上の結果asterixisは抗てんかん薬に共通した薬理作用に基づいて比較的しばしば出現する副作用の一つで,抗てんかん薬の過量投与防止の一つの簡便な臨床的指標になりうるものと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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