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短報
精神神経症状が前景であったNeuro-Behçet症候群の1例
著者: 鈴木節夫1 川口浩司1 松下恵美子1 星野良一1 鈴木康夫1 大原健士郎1
所属機関: 1浜松医科大学精神神経科学教室
ページ範囲:P.1309 - P.1312
文献購入ページに移動Behçet病は再発性口腔内アフタ,陰部潰瘍,眼症状,皮膚症状を4主症状とし,このほかにも関節炎症状,消化器症状,副睾丸炎,血管系症状,精神神経症状を副症状とする慢性の全身性炎症性疾患とされている2)。なかでも,精神神経症状を呈するものは,Neuro-Behçet症候群とよばれ,予後不良な群とされている10)。
Neuro-Behçet症候群の精神症状に関しては多くの報告3,7,8,11,12)がなされている。山崎ら11)や松下3)はこの精神症状を分類している点で意義深い。4主症状と精神神経症状の出現順位については堀川ら1)やMotomuraら4)によれば,主症状発現後に精神神経症状が現われる例が多く,精神神経症状で初発するものは少ないとされている。しかし,今回われわれは,精神神経症状が先行した後にNeuro-Behçet症候群と診断された1例を経験した。本症例を報告し,若干の文献的考察を行いたい。
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