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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻12号

1984年12月発行

資料

通院分裂病者の施設差—大学病院,総合病院,精神病院,診療所の外来における比較調査

著者: 八木剛平1 大津晃子1 篠崎利江子1 権守仁寿2 高木洲一郎3 鹿島晴雄3 中野嘉一4

所属機関: 1都立大久保病院 2東京武蔵野病院 3慶応義塾大学医学部附属病院 4中野神経科

ページ範囲:P.1321 - P.1328

文献概要

 抄録 精神科外来治療の活発化に伴い,様々な診療形態と地域的特性をもつ治療施設に分裂病者が通院するようになった。著者らは,大学病院,総合病院,診療所(以上無床ないし寡床)と精神病院の通院者を調査し,その精神病理学的および社会経済的側面を比較した。その結果,大学病院には若年層と高学歴者が多く,患者の居住地は著しく広域にわたること,公立総合病院と診療所では,居住地が強い局地性を示すが,精神病理学的および社会経済的にやや異なる患者が通院していること,精神病院には緊張型分裂病者・入院経験者が多い反面,寛解者や社会生活・治療関係の安定した者が多いこと,などが判明した。また無床.寡床の精神科外来には,入院歴のない分裂病者が多い(1/3〜1/2)にもかかわらず,精神病理学的。社会経済的に不安定な者は精神病院の外来より多い傾向が見出されたことから,外来だけの分裂病治療の意義と現在の問題について考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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