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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻12号

1984年12月発行

文献概要

紹介

「偸通辨話」考—元緑時代における分裂病の記載

著者: 石井厚1

所属機関: 1東北大学医学部神経科精神科

ページ範囲:P.1334 - P.1340

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I.はじめに
 偸通辨話6)は,元禄17年(1704年)に沙門明存によって書かれた本文10丁,約5,200字の小冊子である。この本の首題である偸通(偸はうすい,軽々しい,盗むなどの意,明存によると精神が互いに通い合うから偸通と名づけるという)の内容が現代の分裂病性症状とよく似ているので,本書の梗概を紹介し,あわせて二,三の考察をつけ加える。
 この本は東北大学狩野文庫(図1a,b)に2冊,九州大学図書館に1冊(図1c)あり,いずれも写本で本文は同一であるが前書きと後書きに異同がある。
 恐らく印刷されて刊行されたことはないと思われる。文体は比較的読みやすい漢文書き下し文であるが,一,二方言とも思われる語句がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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