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文献詳細

雑誌文献

精神医学26巻2号

1984年02月発行

文献概要

短報

精神分裂病と“正常圧”水頭症が合併した15歳女性例

著者: 野本文幸1 山岡正規1 町山幸輝1

所属機関: 1群馬大学医学部附属病院精神神経科

ページ範囲:P.219 - P.221

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I.はじめに
 精神分裂病と脳萎縮との関連は,近年,Johnstoneら4),Weinbergerら10,11),Takahashiら9)をはじめとして相次いで報告され,改めて注目を集めている。しかし,これらの報告での脳室拡大は脳室・脳比が0.2以下であり,水頭症と診断されるほどの拡大はReveleyら7)の中脳水道狭窄に分裂病の合併した3例のみである。
 交通性水頭症の中でも特異な“正常圧”水頭症(以下,NPHと略す)は1965年にAdamsとHakimら1)が報告して以来治療可能な疾患として知られ,また,精神症状が主体の症例がある点からも関心がもたれている。本症の精神症状はうつ状態が多く5,6,8),未だ分裂病を伴う例は報告されていない。
 今回著者らは,臨床症状は分裂病(緊張病)を示し,RI脳槽造影等の諸検査でNPHと診断された15歳女性例を経験した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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